相続専門の弁護士として平等は難しいと感じる

私は相続を専門にした弁護士をしていますが、弁護士事務所に相続の相談に来られる人が持ちこんでくるケースは、本当にバリエーションに富んでいます。しかし、経験を積んでいくうちに、相続でもめて弁護士の力を借りようという人には一定の共通点もあることもだんだんわかってきました。それは、極度の平等意識です。戦後の民法の改正によって、家督相続の考え方はなくなり、子供は子供同士で、兄弟姉妹は兄弟姉妹同士でみな平等の権利を有するという考え方に変わり、それがよく浸透しているようです。

その権利を主張し平等に分割すべし、という気持ちが強ければ強いほどもめることになるようです。一見、全員が平等を望むならもめそうにないと考えるかもしれませんが、実はその平等の価値観が全員違うというのが曲者なのです。例えば、被相続人の介護を生前にやっていた人の価値をどれだけと見るかそれとも遺産分割では考慮しないのか、過去に自宅購入の資金援助や留学資金の援助を受けているがどんなことをどこまでさかのぼれば平等になるのかという点がもめるようです。そういった内容で弁護士に相談に行くと、結果的に手続きが面倒になるという結果になりかねないので注意が必要です。

いわゆる寄与分等については遺産を受ける人同士が合意すると遺産分割の対象になってしまいその金額の特定等の作業が増えるのです。この仕事をしていると平等とは何かについては本当に難しいということを深く考えさせられます。